通信販売・ダイレクトマーケティング・D2Cのクリエイティブ研究室

どうなる?2024年のダイレクトマーケティング[徹底予測]

前回は、「2023年のダイレクトマーケティング業界ニュースを振り返る」で2023年の振り返りを行いました。

どちらかというと昨年は向かい風となるようなニュースが多く、通信販売やダイレクトマーケティング業界にとって厳しい一年だったように感じます。しかし、当然ではありますが、その中でも良い成果を出している企業はありますし、新しい取り組みを始めている企業が中長期の視野で見ると「実はプラスになっていた」というケースも少なくありません。

上記のように、「なぜプラスだったのか」または「なぜマイナスになってしまったのか」という部分を、市況と組み合わせて考えたり、振り返ったりすることは非常に重要です。可能であれば半期毎、最低でも年に1回は振り返りを行い、それらの考察を踏まえて次のステップを考えていくことが企業の成長へつながるといえます。その理由は、再現性を高くしていくことであったりそういった振り返りが応用できるきっかけになったりするからですね。

ということで、今回は2023年の振り返りを踏まえ、続編として2024年のダイレクトマーケティング市場の展望について話していきたいと思います。

まず、前回お伝えした、「アフターコロナによる需要の変化」、「さまざまな値上げ」、「規制の強化」などの要因に関しては、おそらく昨年から大きな変化はなく継続していくと考えています。

そのため、ここではそれ以外の話をさせていただきますね。

メディア環境の変化によるデジタルへの移行

ダイレクトマーケティングにおける外的な変化要因として、コロナ脱却後のメディア環境が挙げられます。
例えば、コロナ禍に地上波放送ではなくNetflixのような新しいメディアが台頭したように、メディア視聴に関する部分では大きな変化がありました。その変化は今後も進んでいき、よりデジタルへシフトしてきます。
昨年の状況から考えても、新聞、雑誌、テレビは現在もジリジリと下がって来ていますが、今後はそのスピードが加速度的に進んでしまうと思います。

そのため、企業側もメディア・ポートフォリオの見直しが求められるようになり、オフラインの位置づけをどのようにするかであったり、オフラインからデジタルへのシフトチェンジが急務となる可能性が出てくるでしょう。
そのあたりの対策は、昨年末に、スタートライズ社のD2C・DXニュースに寄稿させていただいた記事である「E C事業のデジタル化が進まない理由」で解説しています。
それ以外にもクリエイティブ面における対策などでは、本ブログの記事「ランディングページとチラシ広告の違いについて[類似点と相違点を解説]」や「デジタル広告とオフライン広告の両方に対応できるクリエイターが少ない理由」でお話をさせていただいているので参考にしてください。

クッションページのエンタメ化が進む

デジタル広告二多くの企業が参入してくることになると、現在、多くの企業が行っているクッションページが飽和してくる可能性があります。クッションページは、LP(ランディングページ)へ引き込む手前の段階で読ませるための導入記事です。商品の理解度を高める効果があり、そこからLPへ誘導する働きを担っています。

しかし、ネット広告が飽和してくることで似たようなページが量産されてしまい、どれを見ても「あれ?どれも同じじゃない?」といった感想を持たれるようになっていきがちです。そうなってしまうと、「これは広告だ」と思われてクッションページからの遷移率は下がってしまいます。
そうなってしまうことを防ぐ意味でも、記事の内容にバリエーションを増やすことでレスポンスが上がる事例が出てくるのではないかと推測しています。

その結果、ダイレクトマーケティングにおけるネット広告のエンタメ化が加速するのではないかと考えます。

テレビCMが分かりやすい例かと思いますが、おもしろいCMを作ることで話題になり、ブランディングにつながることがあります。エンターテイメント性の高い発信をすることで、サービスやブランドに対する消費者の理解度が深まるのです。同様に、今後はインターネット広告のクッションページやLPにもブランドの個性が求められるようになるのではないかということですね。

2023年の最初の頃にセミナーでよく話をさせていただいていた「2023年は企業の個性、ポジショニングを大事にしていきましょう」という部分が、2024年にはさらに加速し、広告でしっかりと個性を表現する時代になってくるかもしれません。

P2Cではなく、P2B2Cが増えてくるのではないか

3つめの変化として、既に2021年くらいから起こり始めているのですが、P2C(P to C:Person to Consumer)が挙げられます。

P2Cとは、インフルエンサーのように影響力のある個人が、消費者に対して直接商品やサービスを販売するビジネスモデルです。これはD2C(Direct to Consumer)の流れをくんでいるというより、D2Cの1ジャンルとしてP2Cが生まれたというのが正しい表現かもしれません。今後はP2Cのポジショニングというか差別化が、今後進んでくるのではないかと考えています。

一方で、HIKAKINさんが発売した「みそきん」のように、一発目から店頭流通を使うような販売手法が増えてくる可能性も考えられます。今までメーカーが行っていた「〇〇の店のラーメンを再現しました」といった手法のインフルエンサー版がどんどん出てきて、個人がプロデュースしたものが店頭で販売されるケースも出てくるかもしれません。

そうなってくると、B2C(Business to Customer)を行っていた通販会社や大手メーカーなどが、自分たちの流通網を駆使してインフルエンサーと消費者をつなぐ架け橋のようなプラットフォーマー的な役割を果たすようになり、P2B2Cといった形のビジネスモデルが生まれてくる可能性も考えられます。もしかしたら、商品開発から手伝うほうが、即座にビジネスとして回しやすくなるので、そういったコラボレーションの形が増えてくることも考えられるでしょう。

このような予測をしている背景としては、
やはりP2C、つまりインフルエンサーが自分たちのブランドを持って販売をする行為は非常にリスクが高いからです。インフルエンサー個人が、例えば炎上騒動などで好感度が下がってしまうと、そのブランドが一気に変わってしまう可能性があります。そのため、今後は企業の信頼性と、インフルエンサーのパワーの両方を担保していくことが重要になってくるかもしれません。

まとめ

マジワンでは、2024年はこれまで起こってきた変化が複合的に混ざり合うような一年間になってくると予測しています。

2018年頃からB2CやD2Cなどさまざまな言葉が生まれてきていますが、これらすべてがD2Cに統合されてくるでしょう。というのも、実はマジワンでは、D2Cを「ダイレクトマーケティング」という言葉で統一してきました。しかし、その一方でD2Cブランドが店舗販売にシフトする、オムニチャンネルの部分を活用する事例が増えてきています。直接消費者と接しながらデータを持ってやっていく上で、店頭も活用できる点はD2Cのメリットだと思っています。

つまり、ダイレクトマーケティングだけを活用しているわけではないという部分がD2Cの大きな違いなので、今後はそういった部分をナショナルブランドのようなメーカーがプラットフォーマーとして総合的に支援できるような体制を組む動きが出てくるのではないかと推測しています。

以上です。
前回の2023年振り返りでは少しマイナスなトーンで終わってしまいましたが、この記事ではポジティブなお話で〆させていただきました。マイナスな点をしっかりと受け止めた上で、2024年は前を向いて新しい施策をひとつずつ打っていきたいですね。
それでは、また別のコンテンツもご覧いただければと思います。

マジワン
この記事を書いた人
福岡のプランニングエージェンシー「マジワン」が運営するLABの管理人。 ダイレクトマーケティングコンサルタント/クリエイティブディレクター/プランナーとダイレクトマーケティングでの長い経験から、幅広くサポートします。 デジタルからオフライン、新規広告からCRM、そして商品開発と新しいアイディアを横断しながら実践しています。売上アップのための仮説と実証を繰り返しながら、マーケティングという社会実験を楽しんでいます。

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