通信販売・ダイレクトマーケティング・D2Cのクリエイティブ研究室

クッションページってどういうもの?その役割とメリット

今回は、近年見かけることが増えてきている「クッションページ」についてお話しをします。
別名「記事ページ」とも言われるクッションページは、製品やサービスを紹介するためのページで、ランディングページ(以下、LP)へと誘導する入り口でもあります。

クッションページとはどのような役割を果たしているのか、その種類やそれぞれの特徴などを2回に分けて解説していきます。初回であるこの記事では、まずクッションページがどのようなものかをお話していきますね。

クッションページとは

クッションページは、潜在的な見込み客に対し、記事的なものを読ませながら商品やサービスを紹介していくためのページです。

すでに悩みが明確になっている顕在層ではなく、その手前の段階である潜在層が持つ欲求を掘り起こす狙いを持っています。そのため、商品やサービスを販売する目的というよりも、未知の情報への興味喚起やその商品ジャンルに関する知識量をアップさせることに重点をおいたサイトが多い傾向にあります。つまり、クッションページが潜在層に向けた育成的なコンテンツを担っているのです。

また、これは複数の商品がある場合に有効な手段ですが、記事を読ませたり、アンケート形式参加型にすることで能動的にメディアに接触させるというだけでなく、フラットに悩みなどを開示できる「公共的なサイト」という印象を与えることができます。
そして、アンケートなどの場合では質問に回答するという行動をするたびに、自然とその悩みが自分ごと化され、ユーザーのニーズに合わせた情報や商品へと誘導していくような仕組みを作り上げることが可能。クッションページが、さまざまなLPや問い合わせフォームなどへと誘導するための窓口的な役割を担っているのです。

なぜクッションページが増えているのか

従来であれば広告から直接LPへ誘導することが多かったところ、近年は以下の図のようにクッションページを挟んでからLPへ誘導するケースが増えてきています。

クッションページを利用する流れ

では、なぜクッションページが増えてきているのでしょうか。

その理由に、ニュースサイトやコラムメディア、ポータルサイト等において、ニュース記事の途中に表示される「プッシュ型」の広告枠が増えたという背景があります。マーケティングの業界では「広告在庫」という表現をよく使いますが、広告の配信量に対し、検索などのプル型広告であれば表示される数に絶対量が存在していました。しかし、ニュースサイトなどへのプッシュ型広告であれば、ネットサーフィンする人をターゲットにして広告在庫の消化量を増やすことができるのです。

しかも、プッシュ型広告の場合は、ニュースサイトのコンテンツとコンテンツの間に、掲載先のトンマナに合うスタイルで掲載されるため“ながら視聴”的にネットサーフィンで情報検索している「ニーズが明確ではなかった潜在層」に対して「なんか、これいいかもしれない」といったやんわりとした形でのアプローチが可能になります。また、ニュースサイトにたびたび広告を掲載することで、話題性やバズ感を創出させるといった間接的な効果も期待できます。

クッションページのメリット

関心度が高い顕在層:プル型広告が響きやすい
関心度が低い潜在層:プッシュ型広告が響きやすい

リスティングやアフィリエイトから直接LPへ誘導する「プル型広告」の場合、すでに商品名やブランド、含まれる成分の効果などを知っている、もしくは悩みが顕在化されているユーザーに届きやすいと言われています。しかし、LPはメーカー主体のページになるため広告的な表現が多く、逆に潜在層には圧が強く感じられて届きにくいのがネックでした。

その点、クッションページは一般の記事に紛れ込んでいるため、まだ自分の悩みが顕在化されていない、または商品を認知していない「記事を読みに来ただけの潜在層」にアプローチができます。あくまでも、第三者の意見として悩みや課題が解消できる商品を紹介しているというスタンスになるため、潜在層にとってLPほどの拒否感がありません。そして、記事を読んでいくうちに、緊急性の高くない悩みや課題だったものが「自分ごと化」されるようになり、そこから顕在層へとステップアップしていく可能性が出てくるのです。

しかも、顕在層にとってもクッションページのなかで商品に対する知識が身に付くため、クッションページからLPへの遷移率や、LPでのコンバージョン率が高くなる傾向にあります。

クッションページを挟むことで、顕在層はもちろん、潜在層への拡大が見込めるというメリットがあるのです。

クッションページを作るうえで気をつける点

PASONAを意識して作るという点ではLPと違いませんが、記事型という特徴があるため共感を軸にした読み物にすることが大切です。クッションページの作り方にもさまざまなタイプがあるので、制作パートナー選びが重要になってくるかもしれませんね。

以上です。
今回はクッションページとはどのようなものか、そしてなぜ近年になりクッションページを使う企業が増えているのかといったお話しをさせていただきました。次回はクッションページの種類とその特徴についてお伝えする予定です。
それでは、また別のコンテンツもご覧いただければと思います。

マジワン
この記事を書いた人
福岡のプランニングエージェンシー「マジワン」が運営するLABの管理人。 ダイレクトマーケティングコンサルタント/クリエイティブディレクター/プランナーとダイレクトマーケティングでの長い経験から、幅広くサポートします。 デジタルからオフライン、新規広告からCRM、そして商品開発と新しいアイディアを横断しながら実践しています。売上アップのための仮説と実証を繰り返しながら、マーケティングという社会実験を楽しんでいます。

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