通信販売・ダイレクトマーケティング・D2Cのクリエイティブ研究室

販売につながる広告の文章構造とは

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今回は、通信販売をメインとして販売につながるためのコピーの文章構造について話していきたいと思います。この流れの基本と考えているのは、「PASONAの法則」というものです。

「PASONAの法則」は消費者の購買を促すためのメッセージに関する法則で、神田昌典(かんだまさのり)氏によって提唱されました。PASONAとは、

Problem(問題)

Agitation(扇動)

Solution(解決策)

Narrow down(絞込)

Action(行動)

の頭字語です。

PASONAの法則に関する詳細は書籍などで学ぶのが良いと思いますが、今回は簡単にPASONAの法則を利用した販売につながる広告の文章構造についてのお話をさせていただきます。

◆Problem

まずは、問題の提起。読み手が潜在的に悩んでいることを、どのように提示するかが重要です。問題には「得たい欲」と「避けたい欲」があり、どちらかというと「避けたい欲」の方が強いといわれています。

例えば、「ぷるぷるの肌が欲しいですよね」というよりも、「シワだらけの肌になりたくないですよね」の方が、読んだときに嫌だなと感じる気持ちが強く出るので「避けたい欲」の方が効果的。
そのため、どちらか選べるようなら「避けたい欲」を刺激する言葉を選ぶと良いでしょう。

◆Agitation

あまり必要がないように思われがちですが、実は重要なポイントです。

同じ痛みや希望を持っていることを伝えて「わかります」という共感だけでやっていく方法もありますが、あぶり立てというか、恐怖や不安であおるようなイメージから考えた方が伝わりやすいといわれています。
「放っておくとシミとシワが増えていき、老け込んじゃって大変ですよ」みたいな感じで、「放っておくとどうなるのか」という部分を明示することがポイント。
なお、「家族に迷惑をかけたくない」というフレーズも、「放っておくと迷惑をかける可能性がある」という暗示につながります。

◆Solution

Solutionの部分はちょっと難しいのですが、解決策あるいは目に見える証拠などを伝えていくと良いです。
例えば、化粧品ではNGですが、ビフォーアフターなどの写真のような証拠写真を提示するのもそのひとつ。できる限りわかりやすい数字や論文などで証拠が出せると強いでしょう。

また、多角的に良さを伝えることが重要です。メーカーが商品の良さや成分などを伝えるだけでなく、「論文もあります」、「体験談で使った人がこんな風に褒めています」、「第三者の先生もこういう風に言っています」、「メディアでも紹介されています」など、様々な角度から具体的な利点を出していくと効果的です。

「信頼・信用」と「共感」のコンテンツをバランス良く配置し、信頼させておいて共感するのがオススメ。

特にSOの部分を読み終わった後にハッピーな気分で終わらせたいので、PやAを重くしすぎず、PASOSOSO・・・とやるくらいの気分で強く打ち出していくのが良いでしょう。

◆Narrow down

今しかない!という理由を付けましょう。
よく使うのが「限定○個まで○○円」とか、「○○円引きで買えるのは今だけ!」のような、期限や個数を切ることで「今しかない」と思わせるテクニック。
ただ、そのようなやり方で指摘されたケースもあるので、「前回は売り切れで入荷待ちが続いた」とか「次に入荷するのはいつかわからない」のような在庫切れをうまく活用したタイプや、「成分の希少価値が高い」みたいな伝え方で、生産量が低いことを逆手にとるような手法が増えています。

どちらにせよ、条件を狭めて「今買わないと」と思わせることが重要です。

◆Action

最後のActionは、「購入ボタンをシンプルに付けてください」という点に限ります。
「今すぐ○○してください」のような、比較的命令形に近いようなワードを使った方が良いです。過去の経験で言えば、特に紙媒体の場合、指示語のあるなしでレスポンスがかなり変わってきます。

なお、クライアントによっては複数の商品を見せたいとか、まとめ買いさせたいといったケースもあるでしょう。しかし、複数の選択肢を見せてしまうと、どうしてもレスポンスは下がります。
だから、可能ならば「今はこれです」という部分だけを明示するのが良いのです。ただし、定期コースしか申し込みができないというのは問題になるケースもあるので、薄いグレーで単品購入もできるようにするなど、やり方は工夫してみてください。

基本的に、購入の選択肢は1つ。

どうしても複数になる場合は、主従を明確に付けてください。

以上です。

今回は、PASONAにみる、販売につながる広告の文章構造についてお話させていただきました。これは、通信販売の文章としては基本となるものだと思っています。応用は基礎から生まれるものですから、たまにはこの流れに沿って作れているかと確認されるのも良いと思います。

それでは、また別のコンテンツもご覧いただければと思います。

※なお、現在は同じ神田氏が提唱する「新PASONAの法則」もあり、上記のPASONAの法則とは少し手法が異なっています。今回は「セールスライティングの基礎」として上記のPASONAの法則が重要と考えておりますので、こちらを紹介しました。

マジワン
この記事を書いた人
福岡のプランニングエージェンシー「マジワン」が運営するLABの管理人。 ダイレクトマーケティングコンサルタント/クリエイティブディレクター/プランナーとダイレクトマーケティングでの長い経験から、幅広くサポートします。 デジタルからオフライン、新規広告からCRM、そして商品開発と新しいアイディアを横断しながら実践しています。売上アップのための仮説と実証を繰り返しながら、マーケティングという社会実験を楽しんでいます。
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