通信販売・ダイレクトマーケティング・D2Cのクリエイティブ研究室

【マジワンの目】クライアント訪問での状況把握と目標設定のポイント

前回の【マジワンの目】LPから丸わかりになるダイレクトマーケティング企業の方向性では、ダイレクトマーケティング企業のランディングページ(LP)からどのようなことがわかるのか、そして、マジワンでは何を読み解いて打ち合わせへと進めているのかについてお話しました。

シリーズ3回目である今回は、私たち支援する側が企業様と初めてお会いさせていただく際に、何を見て、何を把握すべきなのか、そして目標設定のポイントなどをお伝えしていきます。

「クライアントの企業状況や商品のポジションを正しく把握してはじめて、企業内部の課題、商品や広告の課題などが整理される。そして、そこから設定すべき目標や、これから行うべき打ち手が見えてくる」

マジワンは、そのように考えています。ぜひ支援をされている方以外でも自社の状況を俯瞰して分析したいというかは参考にしてみてくださいね。

経営者のタイプがカギとなる

今回のケースでは”経営者”と記載しますが、事業責任者のケースもあります。

事業を推進していく上での責任者のタイプは、その企業や組織に大きく影響を及ぼすだけでなく、プロモーションにも大きくかかわる部分です。そのため、初回訪問時に経営者がどのようなタイプなのかをじっくりと見極めましょう。

まず、「感情表出」と「自己主張」という2つの軸で、コミュニケーションのタイプを次の4つに分けることができます。

出典:【図解】「タイプ分け™」とは 〜あなたはどのタイプ?タイプ分けで上手くいくコミュニケーション | Hello, Coaching!

【コントローラータイプ】

レスポンスや話すスピードが速く、断定的な口調で結論や要点から単刀直入に話す傾向があります。頼れそうな雰囲気がある反面、腕組みをしたり、足を組んだりと圧のある硬めの姿勢で話を聞く人も多いです。人間関係よりも仕事、プロセスよりも結果を重視するタイプ。要点をしっかりとまとめて伝えるようにしましょう。

【プロモータータイプ】

身ぶりや手ぶりをつけながら抑揚のある話し方をするため、くだけた雰囲気の印象があります。人に影響を与えることを重視しているためアイディア豊富ですが、話があちこちに飛んでしまったり、展開が早かったりするので要注意。しっかりと耳を傾け、話に対して承認するようなこまめな働きかけをすることが大切です。質問をするときは、自由に話がしやすいような間口の広い問いかけがおすすめ。

【サポータータイプ】

レスポンスや話すスピードはややゆっくり、穏やかで優しそうな雰囲気を持つ人が多いです。人の期待に応えようとしたり、対立を避けたりする傾向があります。うなずいたり、相づちを打ったりしながら話を聞いてくれるため進行はしやすいですが、自分の意見を曲げて我慢をしてしまいがちです。何かを依頼するときは「合意」を確認する機会をしっかりと持ちましょう。なお、このタイプは一度話をしだすと前置きから長々と説明をするので時間がかかる傾向にあります。

【アナライザータイプ】

レスポンスや話すスピードはゆっくりで、淡々または冷静に話を進めていく傾向があります。順を追ってロジカルに説明するため、話し出すと少し長いのがこのタイプの特徴です。話を聞くときも直立不動といった真面目な雰囲気で、硬い印象を相手に与えることが多いかもしれません。正しさを重視するため、失敗や間違いを嫌がる傾向があります。

なお、経営者のタイプを把握することは組織を見るという点にもつながるだけでなく、続く「目標設定」にも大きな影響を及ぼします。それは、判断をする材料を理論的に考えるようになるのか?周りからの情報で考えるようになるか?という点で変わってきます。
タイプを整理しながらも、目標や今後のビジョンに関しての質問をしながら、現実と乖離していないか?などをお話しながら確認するにしています。

目標設定の考え方と見方

まず、マジワンの目シリーズで前回までにお伝えをしたLPなどから行う事前リサーチで、「目標値はこれくらい」といった許容スコアを認識しておきましょう。

もしLPから予測が立てるれない、わからない、という場合で、リピート商品かつ初回の大幅値引きをしているというケースであれば「目標10,000円」とざっくりおいてみても良いと思います。

その理由を説明しますね。本来であれば「対象商品のオファー金額+7~8,000円」といった感じでオファー金額と定期コースに引き上がる確率や、その回転数などから、許容値を見る必要があります。
しかし、以前にも解説した通り、WEBにおける広告で、

  • 初回割引あり
  • 定期コースへ加入してもらう

という条件がついているような場合、初回の単価が1,000~2,000円前後となるケースが多いため、定期コースの引き上げ率などを計算しなくて良いケースや、回転数もおおよそこのくらいになってくるだろう。ということが見えてくることになります。そこから、細かい計算を覚えるよりまずは、10,000円とわかりやすく覚えておくほうが良いと考えています。
(本来、行うべき粗利益などからシミュレーションを行い、企業体力と合わせて回収サイクルを判断しますが、こういった計算は個別のシチュエーションが変わりますので、必要でしたらご相談ください。)

そして、予測した目標値を念頭においた状態で、クライアントに

「今、そのスコアで取れていますか?」
「これで回りますか?」

と確認してみてください。
その会話のなかで、目標値をどのように立てているかがわかると思いますので、設定した目標値より上か下かを探っていきましょう。

この考え方を基準としてとらえておくと、クライアントが言ってきた金額によって、目安よりも上の金額を言ってきたなら経済力がある、下回っていたら、けっこう厳しいな、などと感じながら話を進められますし、どこがずれているのかも見極めやすくなります。つまり、ひとつの基準を設けて線を引くことで、議論が進めやすくなるわけですね。

なお、しっかりとシミュレーションを行い、リピートがどれくらいで、財務の回収サイクルを見た上で、どのくらいに落とし込んでいくかなどと考えて目標を定めているのが理想です。
しかし、中には自分たちで考えるのではなく、A社はLPの引き上げが〇〇%だった、B社はCPAが〇〇だったといった、周囲の情報に左右されて決めているケースもあります。うまくいった他社の情報だけを信じて経営数字を決めている場合、かなりリスクを伴うため、現実に落とし込むような作業が必要になるかもしれません。

つまり、初回訪問でのポイントは、
・先方企業のタイプを理解する(思考の癖をみることと、それに合わせたコミュニケーションをとる)
・しっかりとした目標設定が置かれているのか?という企業の経営が回る一番重要な点をまず確認する。
・その上で、企業の特徴を理解し、LPの確認でも行ってきた現状のアップデートを行う。
ということが重要になりますね。

今回は、以上となります。

今回は、クライアントを組織として把握する必要があること、そして目標設定の考え方や見方についてお話しました。初回訪問時に、ぜひ上記のような考え方で情報収集をしていきましょう。次回の【マジワンの目】は最終回、クライアントの内部課題把握とかかわり方についてお伝えします。また別のコンテンツもご覧いただければと思います。

マジワン
この記事を書いた人
福岡のプランニングエージェンシー「マジワン」が運営するLABの管理人。 ダイレクトマーケティングコンサルタント/クリエイティブディレクター/プランナーとダイレクトマーケティングでの長い経験から、幅広くサポートします。 デジタルからオフライン、新規広告からCRM、そして商品開発と新しいアイディアを横断しながら実践しています。売上アップのための仮説と実証を繰り返しながら、マーケティングという社会実験を楽しんでいます。

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