通信販売・ダイレクトマーケティング・D2Cのクリエイティブ研究室

[オフライン広告改善]訴求ポイントの模索に、デジタルも活用!美容・健康サプリのチラシをブラッシュアップ

[オフライン広告修正実例]折込チラシは0.2秒が勝負!機能性表示サプリの広告をブラッシュアップトップ画像

前回は製薬会社の広告についてチェックポイントやテストすべき点などを伝えさせていただきました。

今回は、美容や健康に関するサプリメントの広告についてチェックしていきましょう。
オフライン広告において重要な役割を果たしている折込チラシの様々なブラッシュアップケースを見ていくことで、自社のチラシを見直すポイントを見つけていただければ幸いです。

なお、画像を見ながらお話をさせていただくほうが分かりやすいので、実際の広告を用いて説明していきます。しかし、著作権の問題があるため、特定の商品だと判断できるような商品名、本文、連絡先等を分からないように実物のチラシを加工させていただきました。その点をご理解ください。

今回のチラシ広告のポイントをチェック

今回のチラシは、九州にあるかなり通販歴の長い企業様の広告です。仮にC社としておきましょう。
C社は、調べましたところ、かなり前からこの商品を含め、様々な商品を通販で取り扱っています。健康食品として歴史がある、高齢者からの信頼性の高い成分を組み合わせたもので、現状の通販における定期コースの価格帯としては安い部類に入るのではないかと思います。

訴求に関しては、“美容・健康”という、ふんわりとしたものです。
法令面に関してかなり気にされているのかなという印象を受けました。チラシには女性の全身スタイルの写真が入っているので、もしかするとダイエットとまではいかなくても、体型的な悩みも訴求の視野に入っているのかもしれませんね。

この商品の場合、訴求がかなり柔らかめで適法をしっかりとチェックされている印象があるので、この商品を摂取したいと希望するユーザーは「何か対策をしたほうが良いと漠然と思っている人」で、かつ「昔から飲まれているものだし、健康にいいのかな」といった程度の少しぼんやりとしたターゲット設定になっている気がします。

このように広告からは、企業の考え方やスタンスを推察することができます。

なお、このC社のチラシを取り上げたのは、ひとつめがWebから拡大してきた企業様、ふたつめがNBと呼ばれる企業様だったこともあり、ここらで通販歴の長い企業様もチェックしてみようと思ったのがきっかけとなっています。

ここまで訴求がふんわりとしていると、今までのような細かいポイントのブラッシュアップというより、もう少し訴求を変えることはできないのか・・・と模索することが本来は重要です。
ですが上記にも記載した通り、おそらくC社の姿勢として、ちょっとでもリスクのあることはしないというスタンスなんだと思われますので、それ以外の方法で今回は考えてみたいと思います。

シンプルなチラシはブラッシュアップではなく、足していくのが理想

まず、ここまで緩やかな表現になっていると、レイアウト変更のテストが一番大きな変化をもたらすのではないかと思います。このチラシはかなりおしとやかなので、四隅の攻めがあまり考えられていません。左上にはキャッチが入っているので大丈夫ですが、右上はあまり強くない・・・。下部分はオファーも区切られておらず、少しオファーとしては認識がしにくいですよね。
全体的に、もう少しパンチの効いたレイアウトに変更していっても良いような気がします。

こういった見出しのキャッチになる部分を「パンチライン」と言ったりもしますが、この商品は見た印象が少しおとなしく見えるので、パンチのあるテキストを寄せ集めたような形で、短いテキストをどんどん積み重ねていく中吊り広告のような見せ方がひとつのアプローチとしてあるのではないかなと思います。

もう1点、修正したほうがいいポイントとなっているのが、ベネフィットとなる言葉や、褒め表現のバリエーションです。左上にある「すごいんです」という表現ですが、実は「すごい」という言葉は陳腐化しやすいです。そのため、1回目はレスポンスが良くても、連呼しすぎると疲弊が早まってしまう可能性が高い。それをさけるためにも、褒め言葉の語彙力を増やしていくことが重要です。

とはいえ、「すごい」は使いやすく、分かりやすい言葉になるため、どうやって勝たせていくワードを作っていくかがポイントになります。

ここまでシンプルなチラシの場合、足し算の方向性が良いのかなと思います。例えばオファーに書かれている「アミノ酸が何mg」といった表現も、何と比べて何倍入っているのかといった形や、何倍のアミノ酸がすごいんです!みたいな表現に変えていくのも良いでしょう。あとは、「売上〇〇万袋突破だから、みんなに支持されています」とするのか、「ナンバーワンと言われている部分が支持されている」とするのかでも違いますよね。
まずはそういった勝ちポイントを作っていくのが良いと思います。

権威性や信頼性を高めて価値を上げていくことも重要

現状はリアリティーのために女性のみなさんが体験談をしゃべっているような状態になっています。しかし、商品を推奨する方を一般の体験者ではなく、少し権威のある博士的な人に変えてみるとか、比較的発信力のあるテレビなどにも出ていただいているタレントさんのような方に出てもらって「〇〇さんもおすすめしている、このWパワーがすごい!」といった方向にもっていくやり方も良いでしょう。

あとは、その中でも掛け合わせて「ナンバーワン」の部分をいかに魅力的に見せていくかが重要です。様々な表現で商品の良さを魅せていくと良いかもしれません。例えば、近年で言うと「医師の〇%がおすすめしています」といった調査を行う企業様が増えています。健康食品においては、どこまでできるのかという部分ではありますが、権威性の高い方と組み合わせながらこの商品の価値を上げていくことができるでしょう。

もちろん体験者の活用が悪いわけではありませんが、共感性の高いコンテンツだけに偏っている場合には、“権威性”や“信頼性”を積み上げていくことも重要です。数字で表現したり、権威性の高い人が発信したりといったことで「なるほど」と理解してもらえる部分が増えていきます。

あとは根本的な問題ですが、このサプリメントをどういったポジショニングにしていくのかという部分も重要です。
例えば、ベースメントサプリ(ようは戦う相手が様々な特化型機能を持ったサプリメント)ではなく、マルチビタミンのように様々な栄養素が入っていて、摂取することで「基礎力が上がるよ」とか、「基礎的なサポートになるよ」といった方向で表現をするというのも良いでしょう。戦う相手を変えながら、市場を少しずつシフトしていきながら、訴求を求めていくということも考えると良いのかなと思います。

Web等の別媒体でテストしてオフライン広告へ反映させる

それでは、前回同様にマジワンが推奨する“クリエイティブテストの順番”をお伝えしていきます。
ただし、こちらは過去の2事例と比べると、少しテストとしては複雑かもしれません。

市場の変化や発信者の変化。それに加えて、コンテンツを作るような感覚の部分も出てくるので、オフライン広告である折込チラシのテストだけでなく、もしWebページがあるならクッションページのようなページでいくつか作成してテストをし、よりレスポンスの良いものを持ってくるというのも良いのではないかと考えています。

また、LP(ランディングページ)中でコンテンツを差し引きしながらコンバージョンを上げていき、オンライン広告で得た内容でオフライン広告に反映するといった風に、全メディアの中で良いものを集約していく形を取るのが理想だと思われます。

そういう意味では、ここまでにお伝えしてきた手法論やテクニックという部分より、根幹の軸となる部分の伝え方を少し模索していくと良いのではないかと感じました。企業フェーズ、商品フェーズにおいてチラシのテストのやり方が変わりますし、そもそもオフライン広告でテストをせず、別のメディアでテストしながらその反応をチラシに利用するといったやり方をするケースもあります。

今回のC社の事例で言えば、比較的表現の中で安全を取りながらやっていったらここに落ち着いたという雰囲気がありますので、それならば根底の部分をどのようにチェンジしながらやっていくかという方向で考えていくのが良さそうです。

まずは、オフライン広告でテストしてしまうのではなく、運用コストの安いWebメディアでテストをしてから、その結果を元に折込チラシを改善するといった流れにし、プロモーション全体を見据えて改善していったほうが良くなるケースかなと感じています。

以上です。
マジワンは、このように比較的オフラインとデジタルを行き来しながら提案をさせていただくことが多い会社です。どちらかに限定せず、必要に応じて臨機応変にサポートさせていただきますので、気兼ねなくご相談ください。
他にも「こういったケースはどう?」といった質問があれば、ぜひ気軽にお問い合わせくださいね。次回もまた、異なる企業の折込チラシをマジワン目線でブラッシュアップしていきます。楽しみにしていてください。
また別のコンテンツもご覧いただければと思います。

マジワン
この記事を書いた人
福岡のプランニングエージェンシー「マジワン」が運営するLABの管理人。 ダイレクトマーケティングコンサルタント/クリエイティブディレクター/プランナーとダイレクトマーケティングでの長い経験から、幅広くサポートします。 デジタルからオフライン、新規広告からCRM、そして商品開発と新しいアイディアを横断しながら実践しています。売上アップのための仮説と実証を繰り返しながら、マーケティングという社会実験を楽しんでいます。

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