通信販売・ダイレクトマーケティング・D2Cのクリエイティブ研究室

クッションページをブラッシュアップ! マジワンがおすすめするA/Bテストの流れ

以前の記事でクッションページを作るときのポイントについて解説しましたが、作ったクッションページが希望する形でターゲットユーザーへ作用していなければ意味がありません。そのため、作ったら終わりではなく、様々な形でテストを行いながら、よりニーズにマッチした形へと整えていくことが重要です。

そこで、今回はクッションページをどのようなポイントからブラッシュアップしていくと良いか、マジワンがおこなっているA/Bテストのステップや手法などを具体的にご紹介していきたいと思います。

まずは悩みを規定していく

商品への関心度は、潜在層が低く、顕在層は高い

クッションページとは、ユーザーを広く取り入れ、情報を提示してさらに知識を深掘りさせていくものです。そのため、潜在的だった悩みを顕在化させたり、すでに顕在化している悩みをより深刻化させて商品の購入につなげたりすることができます。

そして、クッションページをテストする際、導入にあたる部分と、商品を登場させてからの説得部分に分けて考えるのが理想です。商品スペックが定まっている以上、後半の商品説明に絡めた説得部分で大きな変化を作ることができません。そのため、テストで重要になってくるのは前半の導入にあたる部分と言えます。

クッションページを訪問したユーザーに対し、導入部分で悩みを自分ごと化してもらうためには、まずターゲットユーザーに合わせた「悩みの深さ」を規定していきましょう。

以下に、ダイエットサポートサプリと化粧品を例に挙げて説明していきますね。

ダイエットサプリの場合

ダイエットサプリと言っても、そのレベルはさまざまです。体重を減らしたくて悩んでいる、血圧や血糖値の高さや低さで悩んでいるなど、悩みの深さが異なります。しかし、悩みのレベルが異なる人をまとめてターゲットにすると、幅が広すぎて共感できるクッションページにはなりません。

そこで、まずは「痩せたい」と思うのはどういう人なのか、広い範囲でターゲット層を想像してみましょう。自分で「気をつけなければいけない」と思っているだけのレベルなのか、医師から「注意するように」と指導されているレベルなのか、すでに通院して薬を飲んでいるレベルなのか等、さまざまなユーザーが想定できますよね。

その上で、今度は自社の商品がどの層に届きやすいのかを判断していきます。例えば、商品のアピールポイントとして「機能性表示」を中心に提案するなら、すでに通院して服薬している人は対象にできません。そのため、どちらかというと中程度の悩みの深さを狙うのがベストと言えるでしょう。

このように、痩せたいというキーワードから想定できるすべてのユーザーを洗い出し、商品の推しポイントに合うターゲットを選定していくことが大切です。

化粧品の場合

化粧品の場合、クリニックやエステ、皮膚科へ行くレベルの悩みではなく、肌に潤いを与えたいというレベルの悩みをもつユーザーがターゲットになります。ただし、実際には深く悩んでいるけれど、金銭的な理由でクリニックへ行っていないケースもあるため、段階的な定義が有効となります。

なお、悩みの深さを理解している人に対しては説得をシンプルに、そして、逆に悩みが浅い人ほどふんわりとした説得が良いでしょう。

つまり、説得量のボリュームは、この悩みの深さでコントロールすべきと言えます。この部分は、「真面目なだけでは伝わらない!クッションページのコピー制作ではまりがちな落とし穴」や、「販売につながる広告の文章構造とは」で詳しく書いているので、こちらも合わせて参考にしてください。

段階で切り分けながらテストを実施

次に、さきほど考えた悩みの深さを軸にしながら、「どのような悩みの深さの人が読むのか」、そして「それらのターゲット層が読みやすい切り口はどのようなタイプか」などを細かく定義していきましょう。
悩みの深さだけでなく、男女比、年代、ライフスタイル、趣味や指向性などを規定し、それらのターゲット層が普段読んでいる文体に合わせたり、どのような方向性のものが読まれやすいのかを考えたりするのがおすすめです。

導入の部分でうまくユーザーに届けば、後半の説得がより効果的になります。
そのため、入り口でターゲットユーザーが読みやすいものを提供することが大切です。そして、導入で悩みの深さの部分がそのユーザーにピッタリはまれば、後半でシンプルに見せたり、たたみかけるように説得したりする流れを作ることができます。

具体的に、前半と後半のテスト方法をお伝えしていきます。

前半のテスト方法

まず、性別など複数の切り口から12分割くらいにして、記事を作っていきましょう。
大きくは4分割、悩みの深さで2~3分割、さらに派生する仮説で1分割といった形で、それぞれ4パターンくらいテストするイメージです。

悩みの深い説得パターンが当たりになるケースが多い傾向にありますが、近年は機能性表示が理解されてきているので比較的ライトな説得の当たりパターンも増えてきています。

後半のテスト方法

後半は悩みの深さに応じた説得パターンを数個作って組み合わせていきましょう。その部分の見せ方は、絵本のようにライトに写真の羅列で見せるパターンと、テキスト多めの説得ストーリーのパターンがあります。なお、近年では、画像を主体としたもので当たるケースが増えているように感じています。

そして、最終的には入り口(導入部分)に合わせて全体を調整していく形にしてください。例えば、女性向けの美容記事風が当たりパターンなら、それに合わせて全体を調整しながら作り込んでいくイメージです。

疲弊対策も必須

当たりのパターンが見つかるまでは、上記のように区分けした前半と後半を組み合わせを、何パターンかテストしていくのが理想です。一度当たりパターンが見つかれば、今度はそれを広げていきましょう。2番手や3番手に良かったターゲットゾーンへと広げていったり、オファー型にしてみたりといった変化を取り入れることも有効です。

なお、入り口で季節要因を入れてみるのもおすすめです。美容雑誌のように、この季節はこういうテーマを取り上げると良いよねとかといったいくつかのパターンを用意します。例えば、ダイエット商品なら、夏は水着の話、冬はお節などを食べ過ぎるといったテーマで試してみましょう。まるで女性誌を作り上げていくようなイメージで、季節要因とワンタイムオファー要素をちりばめながらテストすると疲弊対策になります。なお、後半の説得要素は比較的固定化されてくるため、入り口でターゲットを変えずに疲弊対策をするイメージです。

まとめ

テストのステップは、以下の通りです。

  1. まずはターゲット層が読みやすい内容の入り口を定義し、説得部分は悩みの深さに合わせて組み合わせながら最適解を見つける
  2. 当たりパターンが見つかったら、それに合わせた記事作りをする
  3. ある程度落ち着いてきたら、次は疲弊対策を行っていく

テストのやり方や手順がわかれば、社内で記事作成している会社なら自分たちでテストが可能になります。1本のクッションページを作り上げていくのではなく、冒頭のアイディアを出そう、次は説得の幅のアイディアを出そう、見せ方のアイディアを出そう、疲弊しないアイディア出そうといった感じで、いくつかの思考で切り分けて作っていくほうがアイディアを出しやすくなり、テストが効率的に進むのではないかと考えられます。

なお、以前の記事「ランディングページとチラシ広告の違いについて[類似点と相違点を解説]」で触れましたが、オンライン広告とオフライン広告は作るときの考え方が異なります。しかし、この方法であれば「今この部分のアイディアを求められているな」と切り分けて考えられるので、オフラインのクリエイターでも参加しやすい点がメリットです。様々なチームから人を集めてアイディア出しとテストができるので、社内にノウハウを溜めやすくなるかもしれませんね。

以上です。

クッションページがターゲット層により届きやすくするよう、テストを繰り返しながら最適解を見つけていくことが重要です。今回の記事を参考に、ぜひ社内でテストを行ってみてください。それでも、なかなか当たりパターンが見つからない・・・という場合は、マジワンまでお気軽にご相談ください。

また別のコンテンツもご覧いただければと思います。

マジワン
この記事を書いた人
福岡のプランニングエージェンシー「マジワン」が運営するLABの管理人。 ダイレクトマーケティングコンサルタント/クリエイティブディレクター/プランナーとダイレクトマーケティングでの長い経験から、幅広くサポートします。 デジタルからオフライン、新規広告からCRM、そして商品開発と新しいアイディアを横断しながら実践しています。売上アップのための仮説と実証を繰り返しながら、マーケティングという社会実験を楽しんでいます。

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