通信販売・ダイレクトマーケティング・D2Cのクリエイティブ研究室

マネージメントにおけるクリエイティビティ<後編>

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前回はマネージメントにおけるクリエイティビティ<前編>ということで、「人を変えることは難しい」という話と、「環境を変えると意外と変化が生じる」という話をさせていただきました。ただし、これらは個人的な問題のケースに当てはまります。ある特定の人にだけ問題が生じている場合、その人にまつわる環境を調整することで、働きかたが変わったり意識が変わったりするというものでした。
では、個人ではなく社内や部内といった広範囲に影響を及ぼしたい場合には、どのような手法があるのでしょうか。今回は、もうひとつの手法「ルールを変える」について話をしていきます。

 

ルールを変える

これも環境調整のひとつと言って過言ではないのですが、会社全体・部署全体などの広範囲で気になる点がある場合、ルールを変更することでスムーズになるケースがあります。これがまさにクリエイティブなマネージメントにあたります。よりシンプルなルールを作ることができれば理想的と言えるでしょう。

例えば、制作などの非営業セクションでは評価がお金ではないこともあり、「クライアントからいただくお金が一番重要だ」という意識が低くなってしまいがちです。そのようなときは、コスト意識を上げられるように内事のやりとりでも金銭を動かしてみるのがおすすめ。

ただし、このときに気をつけなければいけないのが、内事の円に対する指標です。
外から稼いでくる営業と異なり、内部だけで金銭を動かすことになるため、どうしても円に対する指標がわからなくなるケースが出てくるのです。そのような場合、社内での金銭のやりとりは円ではない単位にしてしまうという手法が良いかもしれません。そうすることで目線が変わり、「円を外から運んでくるお客さまが一番重要だ」という意識づけになることも多いです。

また、制作などの非営業セクションでも“お金をいただく”という部分を人事の評価のルールのひとつとして加えるのもおすすめかもしれませんね。

社内で1つのルールを変える、または人事評価のルールが1つ変わることで、コストがかからずに全員の意識が変わるケースがあります。このような金銭的な問題はどこの会社でも起こりうるので、意外と使えるのではないでしょうか。ぜひ試してみてください。

 

ルールの変更は1つまで

上記のように社内ルールを変更する場合、一度に複数のルールを付け加えたり変更したりしないようにしましょう。前編でもお伝えしたとおり「人は変化を嫌う生きもの」なので、同時に複数の変化が生じると混乱をきたす可能性が高いです。ルールをいくつも考えついたとしても、何が大事なのかわからなくならないように必ず1つだけ変えるようにするのがおすすめ。

例えば、さきほどの円に関する件だと「外を見るために、社内では円でやりとりすることをやめます!」とするように、「●●のために、●●を変えます」といったシンプルなルールにすることが重要。またルールがどんどん増えていくことは好ましくないため、できれば1つ加えたら1つ減らすくらいの気持ちでいると良いかもしれませんね。

ルールはシンプルを目指していくのが理想。ルールが増えるごとに、やることが増えてしまったのでは本末転倒になってしまいます。

また、漠然と「ルールを考えよう!」と言うよりも、1つだけ変えるなら何が良いかという風に考えていくのが良いですし、いらないルールならやめてしまうというのも大事なことです。
より成果を上げるために、どういうルールがあったら良いだろうという観点で考えていくようにしましょう。

 

ルールで職場環境を整えるということ

ルールで職場の環境を整えるということは、ゲーミフィケーションの考え方と一緒です。
ゲームルールを変えることでゲーム内での動き方が変わるように、ルールを変えることで職場の環境を変えていく。しかも、どのようにルールを変えていくかという点に加えて、ルールが変わることに対して柔軟な組織を作っていくという点が重要なポイントとなります。

例えば、「確実に成果が出そうなルールをひとつ施行してみて、改善されたら更にルールを変化させる」とするよりも、「年に1度必ずルールを見直して変化していく」という風にしてしまうのがおすすめと言えます。そうすることで、社内が「変化すること=当たり前に起こること」としてポジティブに受け止められる文化になることが多いからです。世の中が時代と共に変化していくように、社内も一定期間で柔軟に変化していくことのほうが良いと感じられるようになるステップのひとつとなるでしょう。

まずは上層部ができない理由を考えるのではなく、「変えるためにどうしたら良いだろう」という意識で考えていくことも大切です。そして、最終的には「こういうルールなら、より良くなりそう」と社員同士で考えられるようになったら理想的かもしれませんね。

マネージメントにおいては人をコントロールするよりも、今回ご紹介したようにクリエイティビティな発想で対応できれば良いのではないかと思います。

以上です。
今回は、「マネージメントにおけるクリエイティビティ」というテーマから、ルールを変えて社内環境を整えることついてお伝えしました。

また別のコンテンツもご覧いただければと思います。

マジワン
この記事を書いた人
福岡のプランニングエージェンシー「マジワン」が運営するLABの管理人。 ダイレクトマーケティングコンサルタント/クリエイティブディレクター/プランナーとダイレクトマーケティングでの長い経験から、幅広くサポートします。 デジタルからオフライン、新規広告からCRM、そして商品開発と新しいアイディアを横断しながら実践しています。売上アップのための仮説と実証を繰り返しながら、マーケティングという社会実験を楽しんでいます。

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