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【通販の歴史】メディアの発展で大きく変わっていった通販

前回の【通販の歴史】物流の発展と共に拡大していった通販では、通販の成り立ちと物流の関係についてお話してきました。
今回は1900年代以降の通販の歴史と発展のきっかけについてお話したいと思います。

時代が移り変わり、さまざまなメディアが発展していくなかで通販の形が大きく変化しています。また、この時期に初めて薬事法が制定される、消費者団体の活動が活発になるなど、のちの通販ビジネスに影響を与える大きな変化がありました。

新聞社や出版社による通販が始まる

1906年(明治39年)頃から新たに始まったのが、新聞社や出版社による通信販売です。報知新聞社、大阪毎日新聞社、講談社、博文館新社、実業之日本社などの大手企業が、自社メディアを使って通販を開始します。

ただし、現代の通販とは少し手法が異なっており、当時は「読者が希望する商品の注文を受け、その品を代理で購入して読者の元へ送る」というスタイルでした。その後、商品情報が記載された「通販カタログ」が創刊されはじめましたが、商品の紹介だけでなく、小説や批評などが掲載された現在の週刊誌のような位置づけだったようです。

なお、「郵便利用商店」、「発送営業」、「郵便注文営業」など、さまざまな名称で呼ばれていた通販が、現代と同じ「通信販売」という名称で定着しはじめたのも、この頃と言われています。

電話網が広まっていった

1900年代に入ると、電話網が普及していきます。1911年(明治44年)、三越呉服店(1904年に三井呉服店が社名変更)に現代のコールセンターのようなものが作られ、電話による受注を開始。これをきっかけに、従来の雑誌やカタログを見て郵便で注文する通販の方式から、電話を使った新しい注文方法が確立しました。

三越呉服店は、翌1912年(大正元年)にも新たな試みとして、日本初の「頒布会」(はんぷかい)を行っています。「みつこしオモチャ会」という名前で、会員に毎月異なるおもちゃを定期的に届けるサービスです。1ヶ月1円で会友(会員)になると、1年間を通して季節にふさわしい玩具が届くという当時では画期的なシステムでした。

その後、1930年代に入り有名人を起用した広告などを開始するなど、通販は売上を順調に伸ばしていきます。しかし、1939年(昭和14年)9月の第二次世界大戦を機に、物流統制が行われるようになり、通販の発展は一旦終息してしまったのです。

法整備が徐々に始まる

1943年(昭和18年)に、初めて「薬事法」が制定交付されました。その後、1948年(昭和23年)と1960年(昭和35年)に全面改正が行われ、現行の薬事法のもととなっています。薬事法は、医薬品等の発展や、情勢の変化に伴いたびたび見直しが行われ、のちに通販にも大きな影響を及ぼす重要な法律です。

また1948年(昭和23年)9月には「主婦連合会」(しゅふれんごうかい:消費者団体と個人会員からなる連合会)が発足しました。主婦連合会は、不良品のマッチを事業者に交換させる活動を通じて、暮らしの課題を解決するために結成された団体です。この当時、第二次世界大戦は終結していたものの、物資の不足や不良品などの問題で多くの人が悩まされていました。そのため各地で消費者団体による活動が活発になり、物価や物の品質・安全・表示などに対して着目されるようになっていったのです。

テレビショッピングが始まる

1953年(昭和28年)にテレビ放送が開始します。同年に民間テレビの放送が始まり、テレビでCMが流れるようになりました。1955年(昭和30年)頃になると、三種の神器(洗濯機・冷蔵庫・テレビ)ブームにより、各家庭にテレビが普及しはじめます。

1970年(昭和45年)にフジテレビの「東京ホームジョッキー」という生活情報番組で、「産地直送バーゲン」という商品を紹介するコーナーが始まりました。これが日本初のテレビショッピングと言われています。現代の通販番組とは少し異なり、どちらかというと生コマーシャルに近いようなものでした。

1971年(昭和46年)には東京12チャンネル(現在のテレビ東京)、翌1972年(昭和47年)には日本教育テレビ(現在のテレビ朝日)でもテレビショッピングが開始されます。キー局の多くが、この時期にテレビショッピングを始めており、テレビの普及が通販事業を一気に加速させたと言っても過言ではありません。

なお、インフォマーシャル的な通販は1980年代、CATVが始まりだったという説もあります。

以上です。
今回は、通販の歴史シリーズ第2弾として、メディアの発展に伴う通販の変化についてお伝えしました。次回は、1960年代の高度経済成長期に起こった通販の変化などをお伝えしていく予定です。
また別のコンテンツもご覧いただければと思います。

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