継続的なプロモーションのなかでダイレクトマーケティングの広告を作り続けていると、どうしてもアイディアの引き出しに行き詰まってしまうことが出てきます。そのようなとき、みなさまはどうしていますか?
今回は、広告主の企業の広告セクションの担当者様をはじめ、制作会社のクリエイターなど制作現場に携わる方が、広告アイディアに行き詰まったときの対策について「時間が経過することで環境が変化するパターン」と「そうでないパターン」に分けて解説していきます。
まず、なぜダイレクトマーケティングの広告制作の現場でアイディアの行き詰まりが起きやすいのかを考えてみましょう。
一般的な商品における広告の場合、季節ごとの短期的なキャンペーンなどがあるため広告内容は季節要因を受ける影響が大きく変化を生み出しやすいと言えます。
しかし、ダイレクトマーケティングにおける継続的な広告制作の現場では、同一商品であると同時に、伝えるメッセージのなかでも、訴求ポイントやベネフィットの重要度が高くなるため変化がありません。
また、販売後に送付される同梱物の内容をコロコロ変えるということがしにくいため、新規広告の内容も変化させることが困難なケースも多いです。
そのため、必然的に広告の内容が同一メッセージとなり、広告内容をチューニングしていこうとしても、どうしても似たスタイルになってしまうことが多いです。スタッフによるブレインストーミングを行ったとしても、大元の方向性をどのように変化させていいか?という点を整理できないとアイディアに行き詰まりを感じてしまうことも少なくありません。
この行き詰まりを解消していく考え方についてお伝えしていきたいと思います。
この考え方については、時間が経過して変化が生じているポイントと、そうでないポイントによるもので大きく2つに分けられます。まずは、時間が経過しても商品を販売する環境が変わっていない後者を「一般的なケース」として説明していきます。
前回の広告を制作してから時間は経過しているものの、商品を取り巻く環境が何も変化していないパターンにおいて行き詰まったときの解消方法から解説していきます。
まずは、競合他社の広告やマーケティング活動をあらためて調査しましょう。
彼らがどのようなアプローチを行っているかを整理し、差別化できるポイントを見つけることが重要です。
商品の見せ方、他社が差別化として表示している内容などを分析し、自社との違いをしっかりと考えてください。オファーなどの価格面において違いが生まれていないかという点も重要なチェックポイントです。
また、過去に競合分析したとき“差別化できている”と思ったポイントが、時間の経過と共に競合が追いついて差別化にならなくなってしまっている可能性があります。差別化できていないと売れにくくなったり、広告が疲弊しやすくなったりする状況が生まれるため気をつけると良いかもしれませんね。
既存の顧客からのフィードバックやアンケート結果を分析し、新しいアイディアを得るための示唆を見つけましょう。例えば、リアルに買ってくださるお客様や、コールセンターに上がってくる優良顧客と呼ばれる方の意見を参考にすることが重要です。
そのためには、定期的に定点の確認としても顧客アンケートを行う、コールセンターのSVなどにブレストに参加してもらう、ターゲット顧客を集めてデプスインタビューを実施する、ということでヒントを得ていくのも良い方策と言えますね。
これは少しアプローチが変わりますが、「新しいアイディアを出す」という同じ切り口でブレインストーミングをおこなってもどこから考えてよいかわからないということもありますね。
多くのケースでは、チームメンバーやクリエイティブな仲間など同じメンバーでブレインストーミングセッションを行っていると思います。しかし、人にはどうしても“思考の癖”のようなものが存在しています。そのため、アイディアの出し方に変化が生じにくく、似たようなアイディアしか出てこなくなってしまいがちです。
そのようなときは、定例会のような同じ環境で今まで通りアイディアを出すより、以下のようにちょっとした変化を加えてみることをおすすめします。
1.メンバーを変えてみる
まずはメンバーを変えてみましょう。大きな会社や組織であれば、異なる部署やチームのメンバー(上記でも記述したコールセンターのかた等でも良いと思います)に入ってもらうと良いです。異なるバックグラウンドや視点からの意見は、新しいアイディアを提供してくれる可能性が高いです。また、広告主の企業様であれば、広告制作を新しい依頼先に変えてみるという方法もあります。
2.環境を変えてみる
次に、アイディアを出す環境を変えてみましょう。例えば、いつも同じ会議室で行っていると、どうしてもひらめきのようなものが出にくいケースもあります。ちょっと場所を変えて、近くの喫茶店で会議を行ってみたり、ターゲットになりきって雑誌を見ながらやってみたりするなど、アイディアを出すために環境を工夫してみるのも良い方法です。
3.テーマを変えてみる
そして、これが実は意外重要だと考えているのですが、ブレストのテーマを変えてみるのもおすすめです。
「対象商品の広告アイディアを出す」というテーマでばかりブレストしていると、どうしても行き詰まってしまいます。また、ダイレクトマーケティングのクライアントばかりを担当していると、どうしてもダイレクトマーケティング周辺の情報ばかりが入ってきてしまいがちです。
そのようなときは、他の業界や文化など、広告に限らない部分からのアイディアを取り入れてみましょう。各自で調べてきて発表したり、今ヒットしているまたはユーザーが欲している情報とは?といったテーマで話し合ったりするのも良いです。海外ではどのようなブームが起きているのか、国内であれば若者、女子高生のニーズ、などターゲットを変えたヒット事例を調べてみるのも良いと思います。
また、ブレストのテーマとして、視野を広げたり、狭めたりすることも有効です。
例えば、今までの制約を変えるために「予算が10倍あったら?」、「予算が10万円しかなかったら?」といったものや、メンバーの多い・少ない、制作に使える期間が長い・短いなど、条件を極端に変えてみることで、もしかすると
出てくるアイディアが変わるかもしれません。
時間の経過と共に環境が変化していない場合の行き詰まりをするには、以下の3点に取り組んでみてください。
環境の変化がない行き詰まりの場合、新しい情報をどうやって拾い上げるか、取り込んでいくかといった部分が重要になってきます。上記3点を行うことで、ユーザー起点での発想をしっかりとクリエイティブに反映させていきましょう。
今回は、以上です。
今回は、なぜダイレクトマーケティングの広告制作でアイディアの行き詰まりが起こりやすいのか、また商品を取り巻く環境の変化がない場合の対策について解説しました。
次回は時間の経過と共に商品を取り巻く環境が変化したケースの行き詰まり解消方法をお伝えする予定です。
また別のコンテンツもご覧いただければと思います。