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【通販の歴史】ビジネスモデルやサービスの多様化

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前回の通販の歴史シリーズでは、2000年代後半に起きた通販スタイルの変化と新たな法規制についてお伝えました。本シリーズ最終回となる今回は、2010年以降の変化についてお伝えしていきます。

この時代の大きな特徴として、売り方や配送などのビジネスモデルが多様化してきているという点が挙げられます。以降で詳しく説明していきましょう。

ビジネスモデルの多様化

まず、通販広告において生じた大きな変化は “売り方“ です。2000年代後半では無料モニターで商品を試してもらい、気に入ったら継続購入してもらうような販売方法がメインでした。しかし、2010年に入って新しく目立つようになってきたのが「初回から定期コースに入ってもらう」という流れです。

当時はまだ景品表示法の指導ルールがしっかりと確立されておらず「これは定期コースです」という一文が広告のどこかに入れていれば問題が指摘されませんでした。そのため、「初回購入=定期購入の申込み」というスタイルの売り方をする企業が多かったように感じます。その結果、健康食品や化粧品において以下3つの手法が一般化していきました。

  • “無料”で引きつけて会員を獲得
  • 初回を安くして定期コースを契約
  • 単品売り

また2010年頃から徐々にアフィリエイトビジネスが伸びてきて、新たな販路ができはじめました。大手が整備していく部分と、中小が伸びるアフィリエイトという2つの流れが同時に動いていた時代です。オファーを含めたビジネススタイルの変化、広告メディアの変化、法規制の変化などが同時に行われていたため、めまぐるしく変化していた時期でもあります。なお、このビジネススタイルの変化に関しては、いつか別途書きたいと考えているので楽しみにしていてください。

2010年以降、カタログ通販を主にやっていた企業が弱体化していき、Amazonが一強化してきています。非常にカタログ通販が苦しくなってきた時期です。2013年にフジ・メディア・ホールディングスが、連結子会社のフジ・ダイレクト・マーケティング(FDM)とFDM100%子会社のディノス、セシールの3社を合併するなど、百貨店や百貨店通販が統廃合されました。

配送サービスなども変化

Amazonが自社配送を始めるなど、配送に関するサービスも変化しています。
不在等による受け取りトラブルが増えてきたことから、再配達が不要なコンビニ受け取り、不在でも受け取りができる宅配ボックスの設置、集合ポストに入るようなパッケージング手法が増えるなど、配送サービスが充実。また、Amazonの当日配達や、楽天の翌日には届く「あす楽」などのサービスが始まり、消費者がより気軽に注文できるようになりました。

法的整備の充実と今後の展開

2016年4月、「景品表示法」に課徴金制度が導入されました。
同年に特保の製品に関与成分が規定量含まれていないという事件が起きたことから、一部の商品が許可取り消しになっています。また、「初回だけの購入のつもりが、実は定期購入だった」といった相談が急増。この頃から、一気にルールが明確化しました。

通販に関する法律は、消費者庁によって随時整備されてきています。
例えば、初回購入のトラブルが急増していることから、2022年6月に「改正特定商取引法」に関する一部通達が行われ、購入時に「定期コースである」ということを明示するような指導が入ったばかりです。

また、2018年頃からアフィリエイターが動きにくくなってきている印象があります。
実はアフィリエイトに関しても問題が多くなってきていたのと、アフィリエイターがGoogleやYahoo!などの検索画面を操作するといったトラブルが起こったため検索アルゴリズムが大きく変化したためです。

まとめ

2010年頃には物流はもちろん、情報インフラという部分でのインターネットがだいぶ発展しました。その上で、今後は検索面を含めたメディアとしてのインターネットの動きにどのように対応していくかを考えていく必要があります。メディアの動き、法令的な動きに応じて、ビジネスモデルをどう変化させていくかという点を考えていく必要があるでしょう。

なお、ここまでの流れをしっかりと振り返っていただければわかると思いますが、この最後の5年くらいのスピード感は、ここに至るまでと比べるとかなり速いです。もちろんこのスピード感が良い側面を生み出しているという点もありますが、流れをしっかりと捉えていないと参入さえままならないという状況になってきているのではないかと思います。この速度に合わせて動いていくかどうか?ということが、今後の論点となってくるかもしれませんね。

以上です。
今回で、6回に渡った「通販の歴史シリーズ」を終了します。通販が現在のような形になるまでに、たくさんの変化や法整備などが行われてきていました。今後も時代の変化に合わせて臨機応変に動いていく必要がありそうですね。
また別のコンテンツもご覧いただければと思います。

マジワン
この記事を書いた人
福岡のプランニングエージェンシー「マジワン」が運営するLABの管理人。 ダイレクトマーケティングコンサルタント/クリエイティブディレクター/プランナーとダイレクトマーケティングでの長い経験から、幅広くサポートします。 デジタルからオフライン、新規広告からCRM、そして商品開発と新しいアイディアを横断しながら実践しています。売上アップのための仮説と実証を繰り返しながら、マーケティングという社会実験を楽しんでいます。

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