近年は「機能性表示食品」が出てきたことで、ヘルスクレームに対応する商品をしっかりと開発していきたいという相談をよくいただきます。マジワンは、ヘルスクレームに関連するアドバイスだけでなく、商品開発のサポートなどを行うことがあります。そういった観点から、実際にどのように考えているか?という点を2回に分けてお伝えしていきたいと思います。
はじめに、ヘルスクレームについての考え方で重要になってくるのが以下の分類です。
上記3つの分類でいうと2の位置にあるものが、一番ニーズが高いと考えています。例えば、ダイエットに関する商品がよく売れる要因としては、もちろん健康志向が高まっていることが前提としてあります。しかし、「肥満症」という病気の状態ではない場合でも、「肥満だと思っている」つまり「ダイエットしなくては!」と気にしている状態の方が多いからだといえますね。
そうして見つけたヘルスクレームの中でも「自己の努力で改善がしにくいもの」や、それこそダイエットのように「医療でも簡単には改善ができないもの」が、ヒットするヘルスクレームになるといえるでしょう。
つまり、病的な状態と健康な状態の中間、または体感はあるが病気とまではいえない状態が「医療では改善しない隙間」となり、ヒットの可能性があると考えています。
事例として医薬品の「痛み止め」で考えてみましょう。
飲んですぐ痛みが治る部分は、医薬品で治せる症状ですね。一方で、慢性的にある痛みは原因がさまざまで、体内に問題はなくても違和感があるような状態。いわゆる「シンドローム」と呼ばれる部分です。
この場合、痛み止めを常用したいほどの状態ではないので、少なくとも痛み止めの出番ではありません。そのような体の状態に対して、機能性表示食品を含めた健康食品などでケアできる可能性が存在するか?という感じでアイディアを深めていく作業を行います。
そこに、ヒットの可能性があるのです。こういった気付きは、病気の諸症状の中にヒントがあったり、先ほども記載した「シンドローム」といわれるものの中で、最近言語化されたマイナーなものにヒントがあったりすると考えています。
加えて、介護におけるヘルスクレームなどは、高齢者の場合「年齢のせい」と諦めていることもあり、中間のゾーンが広くなっている可能性があります。そういった場合、言語化を行うことでよりリアルな商品となることが考えられます。そのため、介護業界のクレーム部分を拾い上げることも重要です。
以上です。
ヒットするヘルスクレームを探し出す方法について記載させていただきました。今回は事例の中でも“病気”を例えとして出したため、サプリメントについての考察となっています。しかし、化粧品などでも同じようなことがいえますので、皆様もぜひ一度考察してみてください。
次回は続編として、「ヒットするヘルスクレームを探すための情報を整理するプロセス」についてお伝えしていく予定です。それはまた、別のコンテンツもご覧いただければと思います。