前回は、「ブランディングとその重要性」についてお話させていただきました。
ダイレクトマーケティングのセールスコピーとブランディングのコピーは、相容れないものだと思われがちです。しかし、セールスコピーでもブランディングの視点が必要になるケースがあります。
今回は、「ブランディングとセールスコピーの関係」についてお伝えしていきましょう。
従来のダイレクトマーケティングで使用されるセールスコピーは、ユーザーの悩みを解消に導く部分を打ち出すことが重要視されていました。
しかし、近年ではこのパターンのチラシではレスポンスが獲れなくなってきており、ナショナルブランドが手がけるようなシンプルでキレイなものが高いレスポンスを叩き出しています。
その理由は、通販市場の成熟化です。
セールスコピーは、市場の成熟度合いに合わせていくべきだ、という考え方があります。これは、アメリカのセールスライティングにおいて著名なユージン・M・シュワルツ氏も唱えているところです。
ストレートな主張が効果的
→ 誇張的な主張が強調される
→ メカニズムの説明で主張を強化
→ メカニズムプラスαの主張
→ 見込み客の願望への同化
従来の広告で大きく訴求されていた「悩みが発生してしまう理由」や「その成分が効果を発揮するメカニズム」などは、市場がそれらをよいとする段階では効果的ですが、現在はもう、その段階は終わったということです。
市場はブランディングが重要になってくる、「願望への同化」の段階にきている、ということなのです。
この段階になると、ブランディングのコピーライティングと同様に、ターゲットをしっかりと定めていく必要があります。
ターゲットを定め、ペルソナ設定をするときに洗い出すのは、次のような事項です。
同化欲に合わせたペルソナ設定をすることで、消費者が「こうありたい」と望む姿を描き出すのです。
ブランディングとは、自分たちがどう思われたいのかという軸を作っていく作業。
そのため、セールスコピーのあり方とブランディングのコピーのあり方は異なると思われがちですが、市場の成熟化度合いによっては共存が可能になります。
ただし、ブランドがより高いイメージを設定しており、消費者を置いていくようなことになってしまう場合、セールスコピーと相性が悪くなるかもしれません。そのため、ブランドアイデンティティーの設定をしっかりと考えて、どこまでを許容するかというルール作りをしておきましょう。
以上です。
今回は、「ブランディングとセールスコピーの関係」についてお話させていただきました。次回は、関連したテーマで「トーン&マナーの重要性と作り方」についてお伝えしていく予定です。
また別のコンテンツもご覧いただければと思います。