通信販売・ダイレクトマーケティング・D2Cのクリエイティブ研究室

クッションページの今後2025 ①

クッションページの「今」のかたち

これまでいくつかクッションページに関する記載をさせていただきました。

その中で最近の変化について解説をしたいと思います。
最近のクッションページづくりには、確かな“型”がありつつも、進化の波もしっかりきています。なかでも、いま意識したい3つのポイントをご紹介します。

  1. 記事スタイルの基本を押さえる
    まず土台となるのは、これまで主流だった「PASONA」の構成です。
    Problem(課題提示)→Affinity(共感)→Solution(解決策)→Offer(提案)→Narrowing down(限定)→Action(行動)という流れをきちんと理解して、基本を外さないことが大切です。

  2. ファーストビューに動画を使う
    最近では、記事だけで勝負するのが難しくなってきました。審査も以前より厳しくなっていて、従来の構成だけでは通りづらい場面も。

    そこで登場したのが「ファーストビュー動画」。
    ページの冒頭に動画を配置し、視覚と聴覚に一気に訴えかけることで、強いインパクトと滞在率アップが期待できます。

  3. 最後にアンケートを設置する
    読み終わった後に、アンケートを設けるのも効果的な工夫のひとつです。
    参加型のステップを加えることで、ユーザーのアクション意欲を自然に引き出し、次ページ(LPなど)へのスムーズな導線をつくれます。

    “読むだけ”で終わらせず、“関わる”流れに変えることがポイントです。

これらの3つの要素を踏まえた設計が、現時点での「今どきのクッションページ」のベースといえます。

言い換えるなら、ここが“第一段階”としての完成形。
ここから先、どんなアップデートが起きるのか──その変化を見据える準備も、もう始まっているのかもしれません。

ホワイト広告・大手企業に求められる「次のスタイル」

これまでお伝えしてきた「完成形」とされるクッションページのかたちがある一方で、いま、新たなテーマとして注目されているのが――大手企業や製薬会社など、レギュレーションが厳しい企業にどう対応するかという点です。

こうした企業では、いわゆる“煽り”や“強めの訴求”に敏感で、薬機法や社内基準を厳格に守る必要があるため、一歩引いた表現や、より誠実なトーンが求められます。

つまり、「売るための文章」ではなく、“信頼を届ける文章”へのシフトが求められている――


それが、“ホワイト系”企業におけるクッションページの新たな潮流です。
この変化にどう対応していくか。
これからの時代に向けて、制作側としてもしっかりと考えていく必要がありそうです。

ホワイト広告で注目される“今”のスタイルとは?

大手企業や製薬会社など、いわゆる“ホワイト系”の広告において注目されているのが、以下の2つのクッションページスタイルです。

● アンケート単体型

「これはただの市場調査です」という見せ方ができる、シンプルなアンケート形式。
過剰な訴求を避けつつも、興味がある人だけが自然と参加できる構成になっているため、薬機法や社内レギュレーションが厳しい企業から高く評価されています。
とくに「参加すること」にフォーカスしたこの形式は、煽らずにユーザーとつながる“入り口”として優秀なスタイルです。

● ニュース記事風スタイル

もうひとつ注目されているのが、ニュース記事風に構成されたページ。
ライターの語り口ではなく、第三者的な視点や客観性を持たせることで、より信頼性の高い印象を与えられます。

ニュース記事風スタイルには、さらに2つの方向性があるのがポイントです。

1)既存商品との差別化型
あからさまに他社製品を否定するのではなく、「これまでは◯◯が難しかった」→「でもこの商品なら…」という流れで、やんわりと差別化を図る方法。
景表法に抵触しないよう、慎重に言葉を選びながらストーリーを組み立てていきます。

2)記者発表・プレスリリース型
まるで企業のプレスリリースのように、“新しいニュース”として打ち出すスタイルです。とくに信頼性が重視される大手企業では、「○○社が開発した新技術」や「専門家が登壇した発表会」といった切り口が有効。
実際の新聞やメディア風の構成にすることで、話題性と信頼性の両立が図れます。

まとめ

ホワイト広告の現場で注目されているスタイルは、主に以下の3つに整理できることを今回は解説しました。

  1. アンケート参加を促すスタイル
  2. やんわりとした比較で差別化を図るニュース風スタイル
  3. 話題性を活かしたプレスリリース型スタイル

なかでも、最近注目が集まっているのが「プレスリリースの再活用」。
派手な演出ではなく、事実ベースで“期待感”を丁寧に伝える方法として、今後さらに広がっていきそうです。

次回は、クッションページが今後どうなっていくのかについて解説します。

マジワン
この記事を書いた人
福岡のプランニングエージェンシー「マジワン」が運営するLABの管理人。 ダイレクトマーケティングコンサルタント/クリエイティブディレクター/プランナーとダイレクトマーケティングでの長い経験から、幅広くサポートします。 デジタルからオフライン、新規広告からCRM、そして商品開発と新しいアイディアを横断しながら実践しています。売上アップのための仮説と実証を繰り返しながら、マーケティングという社会実験を楽しんでいます。

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