通信販売・ダイレクトマーケティング・D2Cのクリエイティブ研究室

真面目なだけでは伝わらない!クッションページのコピー制作ではまりがちな落とし穴

以前にクッションページ関連の記事をいくつか書かせていただきました。

クッションページってどういうもの?その役割とメリット
どのタイプを選ぶ?クッションページの種類とその特徴を解説

今回はクッションページなどの広告制作で重要になるダイレクトマーケティングのコピーについてお伝えしていきたいと思います。

トレンドが日々変化していくなか、より良いページを作り上げるために試行錯誤しているのではないかと思います。しかし、ちょっとしたコツを理解しないままコピーを作ってしまうと、落とし穴にはまってしまうことがあります。

そこで、この記事ではマジワンが広告コピーを考えるときに気をつけている点についてお伝えします。
後半には、記事を出して以降お問い合わせが増えている、クッションページならではの注意点も書いているのでぜひ参考にしてください。

■コピーにまつわるトレンドの移り変わり

これまでのダイレクトマーケティングや通信販売の広告制作では新聞折り込みなどのオフライン広告も多く、B3チラシの両面ですと1万文字を超えるケースがありました。近年ではさすがにそこまでのボリュームある広告は減ってきているように感じますが、それでも5000文字を超える広告が少なくありません。

クッションページなどのデジタル広告を作っているクリエイターの方からすると「かなり文字数が多いな」と感じるのではないでしょうか。

この文字数の多さの裏には「新聞など、文字を読み慣れた人に向けた広告である」という背景があります。

しかし、クッションページのようにネット上の広告となると少し変わってきます。文字数も多くても2000~3000字程度になり、新聞広告とは異なるさまざまな配慮が必要になってくるのです。

例えば、ダイレクトマーケティング業界の広告制作において、ひとつの基準といわれているのが
「小学校4~5年生ぐらいでも分かる文章」
というものがあります。このように書くと「読者をバカにしている」と感じる方もいらっしゃるようですが、特にそういう意図があるわけではありません。それくらいの難解さのほうが、サラサラと止まらずに読みやすいというのが理由です。

これは、現在のデジタル広告、特にスマートフォンの場合でも同様と言えます。いえむしろ、より加速しているように感じており、「小学校2~3年生くらいの文章」でなくてはいけないとさえ思います。

というのは、スマホのスクロールの速度を考えると、新聞のようにじっくりと読むというよりも、一画面をサッと眺めることになります。そのため、日常の新聞ほどの難しい言葉の多い文章が表示されると、どうしてもさーっと読み流されてしまいがちなのです。そういった点から、スマホで見ることが考えられるクッションページのような広告の場合、文章のターゲット年齢を少し下げないと、長文を読ませることが難しい傾向があります。

例えば、極端な例でいうと「すごい!」という言葉が連呼されているような、文章としての理解度が低い広告のほうが売れてしまっている・・・といった事例も出てきているほどです。

上記のような例は特別かもしれませんが、折り込み広告のように真面目に語るだけでは読者に伝わらないといった事例が出てきています。クッションページを作る際、配慮すべき点を制作者側が間違えてしまうと落とし穴にはまってしまいかねません。

今回はクリエイターが失敗しがちなコピーの書き方という内容で、
「分かりやすく文章を書くためのポイント」と、
「スマホ(特にクッションページ)におけるポイント」を分けて解説していきたいと思います。

■分かりやすい文章にするために気をつけたいポイント

まずは、一般的なコピー制作をする際、分かりやすい文章にするために気をつけたいポイントを解説していきます。

・文字のバランスを整える

ひらがな、漢字、数字、カタカナのバランスを整えましょう。漢字だけ、またはひらがなだけが並んでしまうとかなり読みにくいです。例えば、

という言葉だと漢字が続きすぎて読みにくい上に、文字の切れ目が分かりにくく頭に入りにくいですよね。しかし、これをひらがなだけにして

としても、やはり読みづらい・・・。そこで、

技術 → テクノロジー
日本初 → 日本で初めて

といった風に変換してあげると

となり、かなり読みやすくなるわけです。上記のように同じ種類の文字ばかり並ぶ場合は、少しほぐしてあげることをオススメします。

同様に、数字も重要です。文中に数字が入ると、そこが目立ってきます。例えば、1番目、2番目のようにすることで数字に目が止まるため、段落の中で意識すべきポイントが見つけやすくなります。

このバランスは、文章全体というより、文節や言葉単位でリズムを意識していくと良いでしょう。ひらがな、漢字、数字、カタカナのバランスを取っていくと読み飛ばしが減り、読者の理解度が高まりやすい文章を作ることが可能になります。

・文章はほどよい長さで切る

一文一意を意識しましょう。「~なので、」や「~だが、」といったつなぎ言葉や読点で一文を長くしていくのではなく、一つひとつ丁寧に句点で閉じることで理解しやすい文章になります。
ちなみに、1文あたり長くても50-60文字程度を目安にすると良いでしょう。

さらに、短い言葉を意図的に使い、文章のリズムを崩すのもオススメですね。
強調したい部分や主観的な文章でよく用いられるが「え、ウソ!?」のようにいったん短文でスパットと流れを切ってしまい、そこから改めて次の文章に入る方法です。そうすることで、文章が切れている場所で目が止まったあと、改めて次の文章を読み進めるという行動になりやすい傾向があります。

同じリズムの文章が積み重ならないように工夫したり、ちょっと長い文章に入る前に一度短い文章でリズムを切って整えたりすると読みやすくなるので試してみてくださいね。

・専門用語を避ける

先ほどの「漢字が羅列しないようにする」という部分に通じますが、小学生程度の理解度にするという意味でいえば専門用語を避けることも大切です。

特に化粧品の成分などについて説明するとき、新しい専門用語が出てしまいがちです。そういった部分を、いかに分かりやすくほぐせるかがポイント。あまり難しい単語ばかりが並んでしまうと、読者が置いてけぼりになってしまうことがあるので注意が必要です。

一方で、あえてよく分からない固有名詞を使ってインパクトを与えるという方法もあります。
ひと昔前でいうと、「NASAで開発された~」のようなフレーズが象徴的になっていました。
その当時(今でもそうかもしれませんが・・・)、NASAが何をしているのかが分からない人のほうが多かったのではないかと思います。それが呪文のように「すごい!NASAの~」、「NASAも注目する~」と連呼してすり込むことで、「なんだか難しそうだけど、すごいんだな」と思わせることができるのです。

ただし、この「よく分からない固定名詞を残す」というテクニックは、あまり何度も使うとインパクトがなくなってしまいます。そのため、象徴的に1つだけ残す程度がオススメです。

なお、専門用語を使わない=全部ほぐさなければ と考えてしまいがちですが、全部ほぐしてしまう必要はありません。ただ、新しい専門用語は1つまでと覚えておいていただければ良いかなと思います。

■クッションページで気をつけたいコピーのポイント

分かりやすい文章を作るためのコツを3つ紹介してきましたが、ここからはクッションページならではのポイントを解説していきます。

・文章の前後のつながり

最初の見出しで「新聞などの広告だと5000字という長い文章もありえる」という話をしましたが、それは文章のつながりやロジックをより丁寧にしっかり読ませるために、それだけの文字数が必要だったという背景があります。

しかし、近年は「あえて文章がつながらないようにしている」というケースが増えているように見受けられます。

わざとつながらないようにしているのか、結果的につながっていないのか、クリエイターの意図は分かりません。
ただ、そういった“つながっていない(ロジックをはしょっている)文章”でも、レスポンスが取れている事例が出てきているのが事実。
では、なぜ文章がつながっていなくても伝わるのでしょうか。

マジワンでは以下のように考えています。

考察1:読者が頭の中で補完しているパターン

前後の文章がつながっていなくても、読者が頭の中で勝手に補完しているというケースが考えられます。例えば、1~5まで順を追って説明をしなくても、1・3・5のように語ることで、読み飛ばしながら理解してもらうことができているのかもしれません。

考察2:スマホの特性が影響しているパターン

先ほども話題に出しましたが、スマホの場合スクロールして読むため「見えている画面の文章を読む」というスタイルになります。
そのため、スクロールしたときに前後の文章が多少つながっていなくても受け入れやすいのかもしれません。スクロールで前後を行き来しにくいため、違和感があっても戻ってまで読もうとする人はあまり多くないのだと思います。

この2つのパターンのイメージとして、中吊り広告や雑誌の広告があります。内容がちょっと飛んでいても、見出しだけ読むとなんとなく想像できますよね。それに近いのかなと感じています。

そのため、クッションページはちょっと中吊り広告を意識した「見出しラッシュ」や「絵とかマンガ」を使ったアプローチのように、象徴的なポイントだけで組んで、文章で少し補うというテクニックが使えるかもしれませんね。

・改行を増やす

これはスマホという媒体に限ったアプローチになりますが、改行を増やすことが重要。
新聞はサイズが決まっているので、もったいないから文字をぎっちりと詰め込みがちです。しかし、スマホであれば縦がどれだけ長くなっても支障がありません。そのため、読みやすいように3行くらいでブロックを切ってしまい、改行するのがオススメです。

このサイトでも活用していますが、ぜひ100~150文字前後をワンブロックとして構築していくようなイメージで作ってみてください。この改行に関してはスマホ特有の行動になりますが、前述の分かりやすい文章を作るコツに加え、こういった部分をしっかりと抑えてクッションページを作っていくと良いのかなと感じています。

今回は以上となります。

今回は、クッションページをはじめとしたダイレクトマーケティングの広告制作者が気をつけたほうが良いコピーづくりのポイントについてお伝えしてきました。
コピーの読みやすさで広告に触れる方の離脱率は大幅に変化します。丁寧なコピーでレスポンス率をしっかりと上げていきましょう。

それでは、また別のコンテンツもご覧いただければと思います。

マジワン
この記事を書いた人
福岡のプランニングエージェンシー「マジワン」が運営するLABの管理人。 ダイレクトマーケティングコンサルタント/クリエイティブディレクター/プランナーとダイレクトマーケティングでの長い経験から、幅広くサポートします。 デジタルからオフライン、新規広告からCRM、そして商品開発と新しいアイディアを横断しながら実践しています。売上アップのための仮説と実証を繰り返しながら、マーケティングという社会実験を楽しんでいます。

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