通信販売・ダイレクトマーケティング・D2Cのクリエイティブ研究室

オフライン広告が増えている!? デジタル広告とオフライン広告の現状

ここ数年、マジワンでは比較的オフライン広告の相談が増えてきているように感じます。時代的にはデジタル広告が主流だったこともあり、当然マジワンでもデジタル広告の相談が多くを占めていました。しかし、最近になりオフライン広告の相談が増えてきています。

なぜ、ここにきてオフライン広告が増えているのでしょうか?

この記事ではマジワンが考える「デジタル広告とオフライン広告の現状」をお伝えしていきたいと思います。

オフライン広告の現状

マジワンラボでは、以前「オフライン広告改善」と称して、勝手に他社様の折り込みチラシをブラッシュアップする記事をアップさせていただきました。その際に、デジタル広告が増えて来ているが、折り込み広告自体は減っていないとお話をさせていただいています。

では、実際にオフライン広告は減っているのでしょうか?それとも、減っていないのでしょうか??まずは、オフライン広告の現状をお伝えしていきましょう。

折り込み広告推移の折れ線グラフ

出所:一般社団法人 日本新聞折込広告業協会の統計データを基にマジワンにてグラフ化

折り込みチラシの数自体は、コロナ禍を境目にして明らかに減っています。ただし、上記のグラフを見ていただくとわかりますが、大きく減った部分は主にスーパーマーケット系のような小売店のチラシです。新型コロナウイルスが終息宣言をした今でも、流通業界のチラシは増えません。やめてみたら新聞の折り込み広告が不要だと感じたのか、まだコロナ禍の状況から復活できていないだけなのかはわかりませんが、減少した折り込み広告の部数が戻っていないことは事実です。

また、通販系(ダイレクトマーケティング)のチラシもわずかではありますが減少傾向にあります。その背景には、サブスクリプションモデルのビジネスが台頭してきたことが挙げられます。従来の通信販売のチラシは、このグラフのカテゴリーで言うと「メーカー」がメインでした。しかし、サブスクリプションタイプはサービス業に分類されるビジネスが多く存在しており、コロナ後の広告はサービス業が増加傾向にあります。

上記のような現状があるにもかかわらず、あえて「オフライン広告も展開したい」、もしくは「オフラインのチームを自社内に作りたい」といった相談を受けることもありました。では、なぜこのタイミングでオフライン広告を拡大させようとしているのでしょうか?以下で、マジワンの見解を解説していきたいと思います。

なぜ、オフライン広告が増えているのか

その理由として、デジタル広告が疲弊や飽和しているという現状があります。ここでいう飽和とは、「広告が飽和している」という意味ではなく、「手法が飽和した状態になっている」とマジワンでは捉えています。

その一方で、行政や消費者庁の指導が増えてきたこと、監視が定期的に行われているといった現状があります。近年の流れで言うと、アフィリエイトの手法が難しくなった部分があるため、CPOが安定しなくなってきています。これは「【世代別成功モデル】アフィリエイトビジネスの拡大による規制強化と今後の成功モデル予測」で詳しく書かせていただきましたが、そういった要因があり、デジタル広告のCPOは少しずつ平均的に悪化しています。

そのため、もともとはデジタル広告に予算を振り分けていた部分を、効率低下や不安定さゆえにオフライン広告へと切り替えしてきているというのが現状と言えそうですね。

アフィリエイトのようにNGな手法が増えてくるたび、デジタル広告でやること・できることが減ってきています。そのため、近年ではチャットボットを導入するなどLPの改善が主になってきている印象を受けますが、ファンの面においてできることが減っていたり、メッセージにおいても表現が厳しくなってきていたりすることから閉塞感や飽和感を感じているクライアントが増えてきている印象を受けます。そういった要因が、デジタル離れにつながっているのかもしれません。

オフライン広告への移行の流れ

オフラインに流れてくるクライアントは2パターン存在すると考えています。
ひとつは、Web側の効率が悪化しているのでオフラインもテストしてみたいというケース。さらに細分化すると、この中には「Webマーケティングを継続してきたが、初めてオフラインでテストする」というケースと「過去に一面記事をやっていたが、アフィリエイトなどの台頭でデジタルへ移行。しかし、メディアポートフォリオのバランスを取るために、オフラインに戻す」というケースが存在しています。

もうひとつは、拡大傾向にある会社が「Webの部分の成長速度だけでなく、メディアを広げる意味でオフラインにも参入する」というケースです。テレビを含めた、ブランディング系の話として、刈り取りの部分での折り込みチラシや、新聞広告を追加していくパターンと言えます。こちらは1番イメージの良い新規のオフライン参入かもしれませんね。

メディア全体で見ると、明らかにオフライン広告は減少傾向にあります。事実、電通が出している広告総量を見ても、減ってきていることがわかっています。そのため、今後オフライン広告が一気に増えることは考えにくいのですが、ダイレクトマーケティング市場でターゲットが尖っていたり、表現の幅が他と異なっていたり、デジタルにはない魅力があったりという観点からオフライン広告が再評価されつつあるのではないでしょうか。

オフライン広告を始めるうえでの注意点

過去にオフライン広告を出していた企業様は問題ありませんが、これからオフライン広告を新規で出すという企業様の場合は受注体制にアナログなもの(ハガキや電話等)が新たに混ざるようになります。
そのような状況だと、コールセンターが整っていなかったり、オフライン広告のパートナーや代理店、印刷会社などを新たに探さなければいけなくなったりと、作業が増えてしまいがちです。ただ「オフライン広告を出す」というだけではなく、その後の運用も考えなければいけません。しかし、オフライン広告に慣れていないと、実はこういった細かい部分を見落としてしまいがちです。

そのため、まずは自分たちの会社にある現状のリソースを確認し、あらゆる点からオフライン広告へ移行しても問題がないかをしっかりと考えると良いでしょう。見切り発車でオフライン広告を出したあと、ドタバタと慌てることのないように、細やかな部分を整理して、見極めてからテストすることをおすすめします。

以上です。
今回はオフライン広告とデジタル広告の現状、オフライン広告が再評価されている理由、オフライン広告を始めるうえでの注意点をお伝えしてきました。マジワンでは、デジタル広告からオフライン広告への移行をサポートした実績があります。そのため、もしもオフライン広告への拡大でお困りのことがありましたら、ぜひマジワンまで気軽にご相談ください。貴社の状況を一緒に把握し、スムーズなオフライン広告展開をしていきましょう。

それでは、また別のコンテンツもご覧いただければと思います。

マジワン
この記事を書いた人
福岡のプランニングエージェンシー「マジワン」が運営するLABの管理人。 ダイレクトマーケティングコンサルタント/クリエイティブディレクター/プランナーとダイレクトマーケティングでの長い経験から、幅広くサポートします。 デジタルからオフライン、新規広告からCRM、そして商品開発と新しいアイディアを横断しながら実践しています。売上アップのための仮説と実証を繰り返しながら、マーケティングという社会実験を楽しんでいます。

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